子供のADHDへの対処方法、ペアレント・トレーニングとは

仲良くお絵描きしている母親と娘の写真ADHDの子供を持つ両親を対象としたトレーニング方法に、「ペアレント・トレーニング」があります。

ペアレント・トレーニングは、アメリカのUCLA神経精神医学研究所で開発された、保護者がADHDの子供のしつけ方・育て方を学ぶプログラム。

日本でも、1990年代頃から子供のADHDの治療の一環としてペアレント・トレーニングが取り入れられるようになりました。

現在は、日本人向けにアレンジや改良を加えた日本版ペアレント・トレーニングなども生まれ、ADHDの子供の療育に効果をあげています。

ペアレント・トレーニングとは、どんなものか?
どこに行けばペアレント・トレーニングを受けられるのか?

ADHDのお子さんを持つ親御さん向けに、ペアレント・トレーニングの基礎知識をまとめました。

スポンサードリンク

して欲しい行動を増やし、して欲しくない行動を減らす、ペアレント・トレーニング

○×のサインを持った女性の写真ペアレント・トレーニングのベースにあるのは、行動療法という心理療法の一種。

行動療法には、正の強化と負の強化という概念があります。

正の強化とは、して欲しい行動の回数を増やすこと。負の強化とは、して欲しくない行動の回数を減らすこと。

行動を増やす、減らすとはどういうことかをもう少し具体的に説明すると、次のようになります。

  • 子供が望ましい行動をした時は褒める
  • 子供が望ましくない行動をした時は無視する
  • 怒ったり罰を与えることは、基本的には行わない。ただし、やめさせなければならない危険な行動には、適切な指示や警告を出す

簡単に言うと、ペアレント・トレーニングとは、褒めて伸ばすスタンスの教育方法ということがわかりますね。

ポイントは、問題行動は叱って抑えつけるのではなく、無視するということ。

こうすることで、暴れれば誰かがかまってくれる、駄々をこねると親が言うことを聞いてくれて自分の要求が通る、などの間違った行動が強化されることを防ぎます。

その一方で、子供がして欲しいことをしたら、褒めることを習慣化。望ましい行動回数が増えるようにしていきます。

プラスを積み重ねて、マイナスはスルー。この2つを継続することで、適切な振る舞い方を身に着けていくのが、ペアレント・トレーニングの基本的な考え方です。

子供をガミガミと叱りつけないこと、子供の問題行動に対して自分がどうすればいいかがわかることから、ADHDの子供の療育だけではなく、親自身の育児ストレスを和らげるのにも役立ちます。

スポンサードリンク

ペアレント・トレーニングを学べる場所

3人でノートを開いて議論している男女の写真ペアレント・トレーニングは、クリニックで1回、2回、しつけのコツを聞いて終了…というものではありません。

通常、全10回前後の講座形式で、順を追ってペアレント・トレーニングのスキルを身に着けていきます。

ペアレント・トレーニングの講座を実施しているのは、例えば次のような場所。

  • 発達障害専門の病院・クリニック
  • 大学病院の研究室
  • 地域や自治体の療育センター、発達障害者支援センターなどが主催するワークショップ
  • NPO法人、発達障害児支援団体などが主催するワークショップ

まずは、子供のADHDの診断と治療を受けている病院で相談するのが1番確実。

発達障害を専門とする病院であれば、高い確率で保護者向けのペアレント・トレーニング講座を開催したり、通院時のトレーニング指導を行っています。

もし通っている病院で十分な指導が得られない場合は、「ペアレント・トレーニング+講座+地域名」などでインターネット検索してみるか、各自治体に設置されている精神保健福祉センター、児童相談所などに相談してみるといいでしょう。

また、ペアレント・トレーニングに関する書籍もありますので、まずは本を読んで自分で学んでみるという方法もあります。

参考)
愛知教育大学 幼児教育研究第18号 日本におけるペアレント・トレーニングの展開と今後の方向性
明石書店 読んで学べるADHDのペアレントトレーニング
じほう 困っている子をほめて育てる ペアレント・トレーニングガイドブック

bnr_adhdmanual_640
HPが少々怪しい印象を受けてしまうのですが、著者は発達障害のコーチング・カウンセリングを専門とする会社の経営者。机上の空論ではなく現場での経験から「どうすればADHDを改善できるのか」を具体的に教えてくれます。なかには驚くような内容もありますが、一度先入観を捨てて読む価値があるマニュアルです。

ADHD改善マニュアル公式HPへ≫