コンサータの成人ADHD適応が遅れた理由、リタリンの乱用問題とは

薬のシートを持った白衣姿の女医の写真コンサータが成人のADHDにも処方できるようになったのは、2013年12月から。

それまでは、18歳未満の子供のADHDへの適応に限られていました。

でも、ADHDに効果があるとわかっていて、なぜコンサータは成人のADHDには適応されていなかったのか?

それには、コンサータ以前にADHD治療薬として使われていた、リタリンという薬の乱用問題が大きく影響しています。

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コンサータの成人適応に待ったをかけていた、リタリンの乱用問題

コンサータ以前に、ADHD治療薬として使われていたリタリンという薬があります。

リタリンは、今でも世界中で広く使われているADHD治療薬ですが、日本では現在、リタリンをADHDの薬として処方することはできません。

ナルコレプシーという睡眠障害の治療薬として、リタリンの処方自体は行われていますが、以前のようにADHD治療薬として使用することはできなくなったのです。

その理由は、2000年頃から社会問題として明るみになった、リタリンの乱用問題。

リタリンは中枢神経に作用する薬のため、ADHDではない人が服用するとドラッグのような高揚感が得られます。

そのことがインターネットなどを通じて拡散、さらには安易にリタリンを大量処方するクリニックや医師の存在により、リタリンを違法売買したり、合法ドラッグのように使用する人が急増したのです。

なかには、年間100万錠以上ものリタリンを処方するクリニックや、医師自身がリタリンを乱用している例すらありました。

(これらのクリニックは2008年頃にかけて一斉に摘発され、現在は閉院しています。)

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コンサータが規制されたのは、中身がリタリンと同じだから

その後、乱用や違法売買という問題を受けてリタリンの流通は厳しく規制され、ADHDやうつ病への処方もできなくなりました。

リタリンの代わりとして登場したのがコンサータですが、実はリタリンとコンサータの中身は、同じメチルフェニデートという成分。

依存性の高いリタリンに対し、コンサータには徐放剤という、効果の発現をゆるやかにする加工がなされていて、依存性を弱めている点が違いです。

でも、徐放剤加工をしていても、中身は同じメチルフェニデートですから…

コンサータの成人への処方を許可すれば、錠剤の中身だけを取り出して、本来とは違う目的で乱用する人が出るだろうことが懸念されます。

こうした事情から、コンサータの処方は、保護者の管理下で服用できる子供のADHDのみに制限されていました。

2013年、コンサータが成人のADHDにも適応拡大

コンサータが成人のADHDへの追加適応を取得したのは、2013年。本当に薬が必要な人にとっては、待望の認可となりました。

でも、乱用への懸念がなくなったわけではなく、日本国内でのコンサータの流通は、コンサータ状適正流通管理委員会という機関によって管理されています。

コンサータを処方できるのは、上記委員会の定める基準をクリアし、かつ指定のe-ラーニング講座を修了した医師と薬剤師のみ。

コンサータはどの病院でも処方できるのではなく、限られた医師と薬剤師にしか処方ができない薬になっています。

リタリン乱用問題に思うこと

リタリンやコンサータが厳しく規制されるようになったのは乱用問題ゆえですが、乱用問題を起こしていたのは、ADHDではない人たちです。

これらの薬は、ADHDの原因となっている脳内神経伝達物質の働きを補う薬。

簡単に言うと、ADHDの人にとっては、-10を0にするための薬です。

でも、普通の人が飲むと、0が10になって高揚感が得られるから悪用された。

本当にリタリンやコンサータを必要とする人たちが置き去りにされ、ADHDの治療よりも、薬の危険性や規制ばかりに社会の目が向いてしまったことは、なんだか残念なことに思えてなりません。

実際、今ネットでADHDの薬について検索すると、ADHDの薬は覚せい剤と同じだ、危険だという意見があふれています。

けれど…

私の周りには、薬があることで救われたADHDの人たちもたくさんいます。

副作用だ依存性だと批判するのは簡単ですが、薬を断じるのであれば、代わりにどんな形で、それを必要としていたADHDの人たちを守れるのか、ケアできるのかも忘れないようにしなければ、と思うのです。

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HPが少々怪しい印象を受けてしまうのですが、著者は発達障害のコーチング・カウンセリングを専門とする会社の経営者。机上の空論ではなく現場での経験から「どうすればADHDを改善できるのか」を具体的に教えてくれます。なかには驚くような内容もありますが、一度先入観を捨てて読む価値があるマニュアルです。

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