ADHDの薬は覚せい剤と聞いて不安になっている人へ。覚せい剤と言われる理由と真偽

手のひらに乗せた薬を指差している写真ADHDの薬は覚せい剤と同じだと言われることがあります。

覚せい剤というショッキングな言葉に、子供にADHDの薬を飲ませること、自身で薬を飲むことに不安を感じている人もいるのではないでしょうか。

ADHDの薬が覚せい剤だと言われるのは、なぜなのか?
飲み続けても安全なのか…?

ADHDの薬が覚せい剤と呼ばれる理由について説明します。

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ADHDの薬が覚せい剤なら、コーヒーだって覚せい剤…?

神経網のように無数の線が張り巡らされたイメージ写真ADHDの薬で覚せい剤度一緒だと言われることがあるのは、コンサータという薬。

コンサータは、神経に直接働きかけることでADHDの原因である脳機能の不足を補い、ADHDの症状を改善する薬です。

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コンサータがADHDに効果のある仕組み。なぜ飲み薬でADHDが改善できるのか?≫

このように、神経に直接作用するタイプの薬を、中枢刺激薬と呼びます。コンサータと覚せい剤が一緒にされるのは、覚せい剤もまた中枢刺激薬の一種だから。

でも、それだけでコンサータ=覚せい剤なのかというと、ちょっと微妙。

そもそも覚せい剤というのは、あるひとつの薬を指す言葉ではありません。「風邪薬」や「胃薬」のように、ある特定の効果を持つ薬の総称です。

中枢神経を興奮させて、気分を高揚させる効果のある薬をまとめて「覚せい剤」というジャンル名で呼んでいるんですね。

身近なところでいうと、カフェインだって中枢神経刺激薬に含まれています。でも、誰もコーヒー=覚せい剤だ!とは言いませんよね…?

ですから、コンサータ=覚せい剤というのは、合っていると言えば合っているし、違うと言えば違うとも言える。

コンサータは副作用も依存性もある薬なので、服用には十分な注意が必要なのは事実です。

けれど、それをイコール覚せい剤と呼ぶのは、言葉のインパクトだけが独り歩きしているような印象も否めません。

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ADHD治療薬リタリンの乱用事件で高まった、薬の危険視

大量に積まれた錠剤のシートの写真コンサータのリスクが声高に叫ばれるようになった背景には、過去に起こったリタリンという薬の乱用事件が大きく影響しています。

リタリンはコンサータと同じ成分の薬で、以前はADHDやうつ病の治療薬として使われていました。

リタリンには強い依存性と強い多幸感があるのですが、2000年頃から、これを合法ドラッグとして乱用する人が急増し、大きな社会問題になったのです。

利益を目的に、安易にリタリンを大量処方するクリニックが多数表れ、ネットではリタリンの違法売買が横行するようになりました。

リタリン乱用は徐々に大きな社会問題となり、2007~2008年にかけて、リタリンの大量処方をしていた医師や病院が次々と検挙される事態に。とある東京のクリニックでは、年間100万錠以上ものリタリンを処方していたと言います。

こうして事件が収束した後、リタリンの流通は厳しく管理されるようになり、ADHD治療への適応はできなくなりました。

リタリンは現在も医薬品として使われていますが、睡眠障害の一種であるナルコレプシーのみの適応に変わっています。

その後、リタリンよりも依存性が低く、リタリンに代わるADHD治療薬として登場したのがコンサータ。

主成分は同じですが、コンサータには薬がゆっくりと溶け出す徐放剤という加工がされており、薬の血中濃度が急激に上がらないので、リタリンよりも依存性が低いとされています。

ADHDの薬は覚せい剤!と断罪するのは簡単だけれど…

以上が、ADHDの薬コンサータが、覚せい剤と呼ばれる理由や背景です。リタリン乱用の汚名を、コンサータがそのまま引き継いでしまったとも言えるでしょう。

コンサータがリスクを持つ薬なのは事実ですし、私はコンサータ服用を安易に勧めるつもりはありません。

けれど、コンサータを覚せい剤呼ばわりしている人たちは、自分がADHDで薬を必要としている人ではなくて、こうした事件や報道の上辺だけを見て批判しているのでは?と感じることもあります。

リタリンやコンサータは、ADHDではない人にとっては、0を+10にしてくれ、気分を高揚させる薬かもしれません。

でも、ADHDの人にとっては、-10を0にして、普通の生活を叶えてくれる重要な手段のひとつです。

それが、自分の楽しみや利益のためにリタリンを悪用した人たちよって、大きな誤解を受け、さらには処方の制限までされたというのは、本当に薬が必要なADHDの人たちにとっては、ただのとばっちりでしかなかったのではないでしょうか…。

毒も薬も本質は同じであり、問題はその使い方。

むやみやたらと薬に頼るのは良いこととは言えませんが、ADHDという辛い障害を改善する選択肢として、薬という選択肢もあるということは、安易に批判してはいけないのではと思います。

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HPが少々怪しい印象を受けてしまうのですが、著者は発達障害のコーチング・カウンセリングを専門とする会社の経営者。机上の空論ではなく現場での経験から「どうすればADHDを改善できるのか」を具体的に教えてくれます。なかには驚くような内容もありますが、一度先入観を捨てて読む価値があるマニュアルです。

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